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最近の雑感 現場の空

2013年4月10日(水曜)

   春のかすみ空の下、頬切る風はまだ寒い。下河根川公園の11本の桜もまだつぼみのままだ。昨秋より施工した三島新保から下河根川に続く新保排水路。その傍らにつくしが顔を出していた。春の水面は、こんなに穏やかなのか…。施工中の水面は、ときに荒れ狂い現場を苦しめた。迂回水路は他になく、お天道様と水中ポンプだけが頼りだった。水に挑めば挑むほど、苦しくなっていた。「我々には楽な現場はない…。」そして、「苦しみの中から喜びが生まれる。」、そう信じて休日返上で現場全員が精一杯頑張った。竣工前々日、現場作業が完了した。やり遂げてくれた現場全員への感謝の気持ちと、そして多くの反省の気持ちが私の中には生まれていた。
  『脚下照顧』、私はこの言葉を肝に銘じ、郷土の空に自らの決意を新たにした。(K.H記)

 2011年3月30日(水曜)

   春は遠からじと感じていた晩冬の今月11日。未曾有の大震災が東北地方を襲った。当地が被災した2004年の水害と震災の災害復旧には、思いやりの深い「東北魂」をもった多くの方々に助けていただいた。小生には今、あらためて多くの恩人への感謝の心を、日々の生活の中でやるべきこと、できることで届けることしかできない。冬が終わり、いま春が来た。~ 「ありがとう!がんばろう!息吹きの春が来た!」 ~ 東北へと続く郷土の空に思いを募らせている。
   そして、「働くという尊い行為の中で、決して命を失わせてはならない。」と「安全専一」の安全活動がはじまり100年。その先人たちが育んできた安全の心をしっかりと受け継ぎ、~ 「めざせ!ゼロ災!がんばろう!山長組」 ~ 日々の安全を積重ねていく決意を春の空に誓った。(K.H記)

2009年9月11日(金曜)

   朝晩、秋の気配を感じるようになった。未明に降った雨は止み、雲が切れ、澄んだ空が広がった。「路面が乾いたら区画線。ノズル交換・試験散水をして、今日中に竣工写真を撮りますっ!現場完了しますっ!」朝礼時に濱さんのハツラツとした声が心地よく胸に響いた。7月末の工事着工以来、PDCAを廻し、毎日の積重ねを疎かにしなかった。濱さんの向上心は毎日燃えあがり、現場への熱意は真夏の暑さをも超えていた。 「濱さん、この写真どうですか。」工事写真担当の瀧さんがニヤリとPCの画面を指した。その表情から会心の達成感が読み取れた。とにかく、チームワーク良く現場全員が100%の力(チカラ)を発揮してくれた。ありがとう。澄んだ初秋の空の下、実りある現場が竣工を迎えた。何より瀧さんの+1の成長が収穫だ…よね!? (K.H記)

2009年6月12日(金曜)

逆谷(さかしだに)字 滝ノ沢。木漏れ陽の向うに爽快な青い空が広がる。木立の中を清々しい薫風が通る。狭隘な山道のコンクリート舗装工事が完了した。現場は山仕事に向かう軽トラックが立ち往生する難所だった。コンクリートの運搬方法を工夫した現場全員の“発想力”がカタチになった。柿さん、濱さん、成さん、渡さん、駒さん、大さん、ありがとう。
   ところで、ここ滝ノ沢。遥か昔。この地に幾つかのお寺があり、参拝者が列をなしていたと言う。ここにも「歴史の里」逆谷のロマンがある。先人たちは何を願い、どんな想いで、この木立の中を通り、清々しい風を感じていたのだろうか…。完成したコンクリート舗装の上で青く爽快な現場の空を見上げ、ちょっと郷土の歴史ロマンに想いを馳せてみた。きっと、世知辛い世の中ではなかっただろうと…。(K.H記)

2009年4月28日(火曜)

   みしま地域の春のイベント「西山連峰登山マラソン」の季節になった。今年は25周年の記念大会で、5月17日開催だという。「バカでっけいテルテル坊主を作りてぇ~。」気分だ。好天の下で盛大になるといい。今月上旬、地元“蓮花寺(れんげじ)”で生まれ育った柿さんが先頭に立ち、小木ノ城に登るマラソンコースの道路清掃を行った。蓮花寺の大杉を過ぎた登りコースの傍らに「桜の宮台」という小さな憩いの場所がある。道路本線の災害復旧に目が向き過ぎていたので、この小さな施設に目が届かなかった。草木に覆われ、石畳の一部に亀裂が生じていた。申し訳ない気分になった。地元出身の柿さんが快く「了解です。やっておきます。」と返事をくれた。草を刈り、亀裂を修復した。きれいになり、2年振りにこの小さな施設に陽が当たった。傍らの石に腰掛け、八重桜を眺め、空を見上げた。いい季節になったと実感した。「桜の宮台」、きっと多くのランナーの健闘を見守ってくれるだろう。……一昨日の強風で道路に落ちた葉っぱが少し気になる。(K.H記)

2009年3月27日(金曜)

「愛」の彫りは濱さんの父上の力作。
   時折、雪が舞う曇り空。与板城山「与板城跡散策路工事」、最後の現場作業。昨年初秋に受注し、春3月末の完成を目指して本工事に入ったのは、晩秋の頃だった。大型機械が入らない、人力施工が主体の現場。誰もが、3月末完成は厳しいと感じていた。ただ工事担当の羽さんは、いつも前を見ていた。「事前測量をしっかりやって、予め階段や石張の割付計画等をきちんとやっとけば後が楽ですよ。」…楽ではなかったはずだ。まさに現場は戦場だった。羽さんは、いつも先頭に立ち、士気を鼓舞していた。きっと、自分自身との戦いもあったはずだ。そして、現場の力が一つになり、予定より早く完成した。歩きやすく整備された散策路を登り、お船清水を過ぎた辺りから、小鳥のさえずりが聞こえる。羽さんの右腕の濱さんが「鳥の居場所も整備しましょうて。」と言った。そして、きょうは、現場の最後の大仕事、「愛」の巣箱を設置した。その巣箱を見上げた。木立と調和して良い感じだ。一瞬、木立の上の空に舞う雪が花吹雪に見えた。やっぱ、「愛」は勝つんだ…と感じた。久しぶりに羽さんの「愛は勝つ!」が聞きたくなった。(K.H記)

2009年3月18日(水曜)

   国道352号。長岡市と出雲崎町との境に中永トンネルがある。ここに来ると思い出すことがある。もう5年が経つだろうか。水が暴れ、山が崩れた、あの中越豪雨水害から。このトンネル坑口は倒木と土砂で覆われた。自然の恐ろしさを感じた。梅雨明けの空の下、懸命の応急復旧作業が続いた日々のことを…思い出す。
きょうは、災害対策工事で造られた砂防えん堤の付替道路工事現場の竣功検査日である。秋から冬にかけての施工であったが、石さん(工事担当)の熱意と努力で良い道路ができた。陽に照らされ道路法面の仕上がりがとても良い感じである。天気のように晴れ晴れとした石さんの顔と雲ひとつない現場の空が重なった。(K.H記)